MEMORANDUM

  バスを待ちながら

◆ じょうずに待つということはとても難しいことだと思う。

◆ そもそも待つとはなんだろう? オンライン辞書では、

◇ 物事・人・時が来るのを予期し、願い望みながら、それまでの時間を過ごす。また、用意して備える。(『大辞泉』)

◇ 人が来たり、物が届けられたり、物事が実現したりするのを、今か今かと望みながら時を過ごす。(『大辞林』)

◆ 待っているからといって、なにかをしてはいけないということはないのだから、本を読んだりもする。傍から見れば、それは読書をしているようにしか見えず、待っているようには見えないかもしれない。それでもやはり待っていることには変わりはない。

◆ 釣りという行為は、魚が針にかかるのをひたすら待ち続けること。待つことのない釣りなんてのは、もはや釣りではないだろう。

◆ たいていのひとは、たいていの場合、機が熟すのを(なにかをしながら)待っているのである。なかには待っていることに気がついていないひともいるかもしれない。

◆ 待つということで、中国の故事を思い出した。守株待兎。株のそばでウサギをずっと待っていた農夫を笑う気にはなれない。

◆ ゴドーが待っていたのは何か、ということには関心がない。問題はどのように待っていたか。はたして、ゴドーはじょうずに待つことができただろうか?

◆ たとえば、ふらりとどこかに旅立ってしまった恋人の帰りをずっと待っているひともいることだろう。そして、ある日ふらりと恋人が帰ってきたときに、たまたま買い物にでかけていて、会うことができずに、また恋人はふらりと旅に出てしまう。そんなこともないとはいえない。あるいは、

♪ 冷たくされていつかは 見返すつもりだった
  それからどこへ行くにも 着飾ってたのに
  どうしてなの? 今日に限って 安いサンダルを履いてた

  松任谷由実「DESTINY」(作詞・作曲:松任谷由実)

◆ なんてこともあるかもしれない。

◆ バス停に着いて、時刻表を見ると、あと10分はバスが来ないはずだから、もうひとつ手前のバス停まで歩いてみることにして、ぶらぶら歩いているいるうちにしばらくは来ないはずのバスが横を通過してしまう。そんなこともあるだろう。じょうずに待つことはほんとに難しい。

◆ というようなことを今朝バスを待ちながらぼけっと考えていたら、バスが来た。

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