◆ 引越のトラックはコンテナ車なので、左に寄せすぎると、歩道から枝を広げた街路樹にぶち当たる。しばらく前、仕事が遅くなったので、同僚にトラックで送ってもらった。自宅近くの中野通りで停車する直前に、車道の端に寄せすぎて、コンテナの角に街路樹が当たった。降りてコンテナを確認すると、たいしたキズもないようである。「大丈夫」 と同僚を見送り、そのまま帰ろうと歩道を歩き始めると、おばちゃんの声に背後から呼び止められた。なにかと思って近づくと、おばちゃんが竹箒を手にして、地面を指さしている。「これ、あんたでしょ?」。見ると、おやまあ! ギンナンが歩道一面に (そして車道にも) 散乱しているのであった。「すいません」 と平謝りしつつ、箒を借りようとしたら、「いいのよ、でも気をつけてよ」 ということで、掃除は免れたのだが・・・。
◆ おばちゃんは通り沿いで食堂をしている。毎年この時期になると、ギンナンのせいで憂鬱になるという。ニオイがすごいので毎日の掃除は欠かせない。だから、「ニオイがする前にギンナンをたくさん落としてくれたから、かえってよかったかも」 ということになり、結局、わるいことをしたのやら、いいことをしたのやら・・・。
◆ それにしても、こんなところにギンナンのなるイチョウの樹があったとは! もう十年も近所に住んでいるというのに知らなかった。先日、明るいうちに、ギンナンを落としたイチョウの樹を見に行った。見上げると、あるある。まだまだある。ギンナンギンナン。わがトラックもおばちゃんの苦労をほんの少ししか減らさなかったようで・・・。
◇ 東京都の木はイチョウであることもあって、明治神宮外苑などの街路樹としてイチョウが植えられている。雌雄異株であるイチョウの雌にはいわるギンナンがなるが、道路を汚すということもあって、街路樹に雌の銀杏が植えられることはまずない。
www.hs.reitaku-u.ac.jp/print/tokosibe077.html
◇ 街路樹のイチョウは実をつけないのはご存知でしょうか? イチョウの実であるギンナンは美味しく茶碗蒸しなどで珍重されますが、路上に落ちると臭くて汚いといって苦情が来ます。走行中の車のフロントガラスにも落ちるかも知れない。そのためイチョウを街路樹として植栽するときには雄の株だけが選択されます。雌株は除かれるのです。
takmi.ciao.jp/archives1/000348.html
◇ イチョウの樹には雌雄があり実が成るのは雌の樹である。街路樹に実がなると車道に落ちた実を拾う人がいて危険なので一般的には雌樹は避けて植えられているようだ。でも大阪の御堂筋の見事な並木では沢山の実がなるようでその収穫権を入札していたような話を聞いている。
www007.upp.so-net.ne.jp/metaseko/room12-myessay.html
◇ また、この並木、イチョウの雌雄選別ができていなかったために、あちらこちらで大量の銀杏が落ちているのが見られ、それらを目当てに多くの人が拾いに訪れます。しかし一部は通行者に踏まれ、独特の臭い匂いが辺りに広がっていたりします。うっかり踏んでしまうと自宅の玄関までもが臭くなりますから、どうぞご注意を。
www.geocities.jp/tokyowood/icho/icho21.html
◆ 街路樹としてギンナンのなる雌の樹が避けられる理由もさまざまなようで・・・