MEMORANDUM

  ひこまる

◆ またまた鵜のハナシ。

◇ 徒歩鵜には、海鵜のほかに川鵜も使った。海鵜は五、六メートルも深く潜るが動作は鈍い。川鵜はそれほど深くは潜れないが、動きはすばらしい。それらの習性を知って巧みに利用したのである。一方海鵜と川鵜を交配させて 「ひこまる」 と呼ぶ鵜をつくりさえした。これは、鵜飼にとっては最上の鵜とされている。この交配で海鵜の要素が強くかかると大きくてまじめ、川鵜の要素が強いと、小さいがすばしこい鵜が生まれる。「ひこまる」 はウグイスのようなよい声を出し、羽や嘴の模様も他の鵜とちがう。
谷川健一 『続 日本の地名』 (岩波新書,p.57)

◇ 長良川鵜飼の長老、杉山要太郎さんによると、鵜飼で最上とされるのは、「ヒコマル」 というウであり、声も美しいうえ、捕魚能力が高い。これはウミウとカワウの雑種だというが、現在鵜匠の家に一羽も飼われていないので、どういうウなのか、私はまだ見る機会に恵まれない。めったに手に入らないウだというから、"幻のウ" ということらしい。
可児弘明 『鵜飼』 (中公新書,1966,p.16)

◆ この 「ひこまる」 というのが気になる。ほんとにカワウとウミウの雑種が存在したのだろうか? ネットで調べてもよくわからない。「ひこまる」 について唯一みつかったのは、長良川の鵜飼のハナシで、

◇ 鵜のすべてに名前を付けている訳ではありませんが、鵜匠は最もほれこんだ鵜を 「彦丸」 と呼んでいます。それほど鵜匠たちは、鵜と強いきずなで結ばれているのです。
chubu.yomiuri.co.jp/shiawase/cho/cho_0405.html

◆ 「彦丸」 か、なんとも気になる。もしかして、こんなマンガに載ってないかな?

◇ 木曽川うかいを漫画で紹介した『飛翔の舞』が発売されています。この本の作者は市内在住の漫画家、土屋慎吾さん。実在の職員である4人の鵜匠が登場し、日本や中国の鵜飼や鵜飼の豆知識を解りやすく紹介しています。物語は、鵜の背中に鵜匠が乗って冒険するなどフィクションも織り交ぜて構成。鵜匠と鵜の深いきずなをテーマにした感動的なストーリーが展開されています。
www.inuyama.gr.jp/special/ukai/hisyo.html

◆ 1000円だそうで。

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