MEMORANDUM

  ホタルの羽音

◆ 先に 「ホタルが音もなく飛び交っているのが見えた」 と書いた。たしかにワタシは何の音も聞かず、そのあまりの静寂が印象に残りもしたのだが・・・。

◇ あたり一帯に飛びはじめた光の乱舞は想像を絶するもので、むしろあまりの数に不気味にすら思えた。光が光をよび、それが一つの塊りになって飛ぶさまは異様であり、これを亡霊だと信じた昔の人たちの想いも決して不自然とは思えなかった。暗闇のために遠近感をあまり感じない光の渦の中に身を置いていると、本当は何の音もしていないのに翅音を感じ、それが迫ってくるような錯覚にとらわれた。
矢島稔 『昆虫誌』 (東書選書,p.8)

◇ 蛍って飛ぶときに羽音もさせないのが不思議です。
ameblo.jp/milty/entry-10002279846.html

◇ この時見たホタルは眩しいほどに光り、工事現場のように一定に点滅し、すぐ近くを飛んでいるのに羽音がぜんぜんしなくて、まるで地球外生命体の様なのです。
yuichi77.blog9.fc2.com/blog-entry-39.html

◇ ホタルと静寂感は似合うのだが、羽音がまるで聞こえないのは不思議。あれだけの大きさの虫がホバリング状態で浮遊しているんだから羽はかなり激しく振動させているハズだ。蚊でさえ耳元で飛ばれるとブ~ンとうるさいのに。もっとも今晩は私たちより少し離れた川面でせいぜい10匹程度が飛んでいるに過ぎないので音が聞こえなくても別段不思議はないのだが、これが何千匹と群舞しても静かなのだろうか?
www.pairhat.jp/mokuji/hotaru2.htm

◇ 近くまで来た時に今日こそ羽音を確認してやろうと思うのだが、まだ果たさず。蚊でさえブ~ンとうるさいのに、どうして蛍は静かなのか。熱くない光とともに音のしない飛翔も謎である。
www.pairhat.jp/mokuji/hotaru2003-1.htm

◇ 時々光りながら一匹が飛ぶと、つられるように後数匹が一緒に飛んでいます。じっとしていると羽音も聞こえます。長い間暗闇で蛍を見ていると、眼が暗闇に慣れてきて、蛍が飛びながら光っているとその下の木々が蛍の光で薄っすらと照らされるのまで判ります。
www.bea.hi-ho.ne.jp/~reika/daiary2001-06.htm

◇ 点滅をしながら飛ぶときに、かすかに音がして、あたかも線香花火のような具合に尻の火が燃えるような錯覚が起きます。これは、もちろん羽音でしょう。
www.geocities.jp/hirai_kjp/twin_RingSide.html

ホタルの飛ぶ時に出る羽音って結構大きいのにはビックリしました。カナブンでも飛んできたかと思うほど大きい音がするんですよね。(多分メスの羽音だと思うけど…)
www.interq.or.jp/hot/kkk/mag2/22gou/mag2-022-01.html

◇ ちょっぴり雰囲気をこわすようなことを言うなら。螢の羽音。ヘイケボタルの数倍の大きさがあるゲンジボタルは、コガネムシに匹敵する羽音がするそうだ。あの光を間近で見てみたいとも思うのだが、そんな羽音がするのではと、ちょっと苦笑いしたり。
www.2mk.org/ADGA/diary/?date=20000625

◇ ホタルは飛んでいるときより草や木の葉に止まっている時の方が多いようです。あまり飛ぶことは上手くありません。飛んでいるところをささやうちわで簡単に捕まってしまうのですから。/ そのわけは、硬いはねの下に隠されている飛ぶためのはねにあります。同じ甲虫類でも、カブトムシなどは硬いはねの下に大きく折りたたみ込まれた立派な飛翔用のはねが用意されているのに、ホタルの折りたたみはほんのわずかで上のはねとほとんど変わらない長さです。だから、飛んでいるところを見ると羽音が高く、けっこう真剣にはねを動かしているのに、そのわりには飛ぶのが遅いのです。
www2.gol.com/users/nekopapa/hotaru/genji/genji-33.htm

◇ ある夜、私はその螢を、螢ぶくろの花の一輪ごとに一つずつ入れ、薄紙を花の口にはってから電灯を消し、暗い中でぼうっと明滅する青い大きな明りを眺めて、この思いつきを自分ながら感心していた。 / けれど、やがて螢を放してやると、たちまちブーンブーンとびっくりするような高い羽音を立てて飛びめぐり、人魂のように明滅するのが、何だか不気味だった。
野尻抱影 『星三百六十五夜(下)』 (中公文庫,p.16)

◆ ・・・ホタルの羽音は意外に大きいものらしい。

関連記事:

このページの URL : 
Trackback URL :