◆ 6月8日、立川市羽衣町。「L'ananas」 という店があったが、なんの店かはよくわからない。ananas とはフランス語でパイナップルのことで、アナナと発音する (最後の s は発音しない)。このアナナの語源が気になり調べてみると、 ◇ The native tribes of Central America called this spiky fruit "nana," meaning flavour. In fact, it was so succulent that another syllable was added and it became "the nana of nanas": the flavour of flavours. Ananas became the accepted name in French and numerous other languages. In the 17th century the English gave it the name "pineapple," an old word for pine cone, because of its appearance. ◆ ananas は原産地の住民の言葉をそのまま借用したようで、これだけならよくあるケースである。意外だったのは、むしろ英語のパイナップルの語源のほうである。pine + apple で、なんの問題もない・・・ ◇ パイナップルの語源は PINE (松) APPLE (リンゴ)。松ぼっくりみたいなリンゴということ ◇ pine は松かさに似るところから、apple はリンゴの味に似るところから。 ◆ リンゴに味が似ているとはとても思えないが、ともかく 「松ぼっくりみたいなリンゴ」 ということで、パイナップルという名がついたのだと思っていた。ところが、そうではなくて、もともとパイナップルとは松ぼっくりのことであったのだが、新大陸で発見された松ぼっくりに似たフルーツのこともパイナップルと呼ぶようになり、そのため、もともとパイナップルであった松ぼっくりのほうがパインコーンと名を変えるはめになった、ということなのである。《オンライン語源辞典》 によれば、 ◇ 1398, "pine cone," from pine (n.) + apple. The reference to the fruit of the tropical plant (from resemblance of shape) is first recorded 1664, and pine cone emerged 1695 to replace pineapple in its original sense. For "pine cone," O.E. also used pinhnyte "pine nut." ◆ とあった。パインコーンの運命はジャイアントパンダにその名を奪われたレッサーパンダと同じである。 ◆ よく考えてみると、pineapple をフランス語に直訳すると、pomme de pin で、これは今でも松ぼっくりのことなのだった。どうもややこしいハナシで失礼しました。 |
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