◆ 3月26日、繁忙期にもかかわらずたまたま仕事が早く終わったので、新宿は都庁の裏手にある十二社(じゅうにそう)温泉に行ってみた。マンションの地階にあって、入浴料は1900円とチト高いが、湯のヌルヌル感が心地よかった。 ◇ お湯は真っ黒。東京でも一番の黒さで、重曹が多く含まれで効能抜群。まるで、 濃いコーヒーのなかに入っているような気分である。 ◇ 湯の色は、コーヒー、というか、急須の中に番茶を入れてお湯を注いだまま3日くらい忘れて置いてあったような色。これほどの濁り湯を見たことがない。ある意味究極の濁り湯だと思う。土方の人が30人くらい入った後の銭湯でもこんな濁り湯にはならないだろう。 ◆ ここで、「土方」 というコトバが気になり、ハナシは温泉から逸れる。コレは差別用語だろうか? 放送禁止用語ではあるらしい。では、建設作業員とでも書くべきか? ◇ 美輪明宏さんに「長いあいだ、『ヨイトマケの唄』が流れなかったでしょう。どうしてですか」と聞いたことがある。美輪さんが吐き捨てるように言った、「あれね、ほんとにバカな話なのよ。“土方”っていう言葉がダメだっていうのね」。土方が差別用語だというのだ。「聞こえてくるよ、あの唄が、働く土方のあの声が、貧しい土方のあの声が」という箇所だ。 ◆ 学生のころ、ハワイ旅行に行った女ともだちから絵葉書が来て、その文面には、 ◇ 土人のように真っ黒です。 ◆ とあった。引越屋は土方とは違うけれども、場所によっては土のニオイが染みつくことがある。そんな仕事のあとの風呂の気持ちのいいことといったらない。土星人は土の人でもあるか。まとまりのないハナシで恐縮。 |
このページの URL : | |
Trackback URL : |