◆ おともだちのおタネさんのサイトの掲示板を眺めていたら、おタネさんがこんなことを書いていた。 ◇ 渋温泉のとある旅館で 入り口と更衣室が別で 中が一緒だった ◆ 渋温泉がどこにあるのかも知らないけれど、このようなツクリになっている温泉は意外と多いのではないかと思う。基本的に混浴ではあっても、脱衣所だけは男女別にする。発想としては悪くないと思う。以下は入浴剤投入事件で有名になった白骨温泉郷の、コチラは入浴剤とは無関係に有名である泡の湯旅館にかんする記述。 ◇ 混浴初心者でも楽々の露天風呂。男女別脱衣所あり、不透明な白濁湯、そして脱衣所から直接異性に見られずにお湯の中に入ることができるため、とても混浴難易度が低い。 ◆ なるほど、混浴難易度か。ワタシとしては、混浴でもなんでもいいが、できればワタシ以外にはだれもいないような露天風呂に心ゆくまで浸かっていたい。温泉のコトを書くと長くなりそうなので、とはいえそもそも温泉のコトを書くつもりだったのだが、別なコトを急に書きたくなったので、温泉のハナシはここまでにして、ここからは便所のハナシになる。 ◇ ここは部屋のなかに、台所と便所がついていた。ただし一穴式の便所は隣室と共用で、両方の部屋から入れるようになっている。だから用を足すときには、まず戸をノックして先客がいないことを確かめ、なかに入って向うの戸の鍵を内側から締めてから、おもむろに事を始めることになる。 / 隣室に住んでいたのは、若い一人暮らしの女性であった。暮夜ひそかに行っている若い女性の用便の音を聞くのは、かなり切ないことだった。 / また、相手が隣室にいると判っていて、こっちが用を足さなければならないときも切なかった。いくらひそかに行いたいとおもっても、あの音響だけは、自分の意のままになるものではない。 ◆ ことによったら、ワタシもこうしたツクリの便所のあるアパートに住み、切ない思いをするハメになったかもしれない。というのも、15年ほど前、部屋を探していたとき、下北沢に下見に行ってこうした部屋に出くわしたことがあるからで、風呂はなくてもいいが、玄関別でトイレ付きというワタシの条件に合った物件のひとつがそこだった。たしかにトイレがついてはいたが、それはトナリと共用なのだった。隣人が若い女性であったかどうかは定かではない。トイレの時間が重なることもあまりないだろうから、まあいいかとも思ったが、便所を通してお互いの部屋がつながっているという構造がうす気味悪い気がして、やはり借りるのを遠慮した。用をすましたあと、うっかり間違えて相手の部屋に出てしまうこともときにはあるかもしれないと、そのことを心配したのである。それともやはり用便中のことを考えて、不安になったのだったか? ドアがふたつもあるトイレではリラックスできず、それゆえ用も足せず、ということになりかねないと思ったのだったか? こんなトイレなら共同便所の方がまだ安心できる。そもそも、便所掃除はだれがするのか? ◆ この便所が共用のまるでシャム双生児のような不思議なアパートのことを、ときおりなぜだかふと思い出すことがあって、そうしたときには、思い出したあとで、あれは現実ではなくて夢の光景だったのだろうか、と悩むのが常だった。それほど非現実的な雰囲気のただよう部屋だった。だから最近、長部日出雄の文章を読んで、ほっとしている。あの部屋の記憶は偽りではなかったのだ。 |
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スキー銀座(古い言い方!)志賀高原の手前だった記憶。
近所に猿が集る温泉もありました 湯ざめしないのかな・・
寒い時期になると 大した労働もしてないのに腰痛に・・
大きな湯船が恋しいですね はい、うちは風呂付き借家です
確かに、切ないトイレですね。
でも 昔のほうが かえって叙情があったのかなァ…。
中国を旅行した際、地方の都市では 仕切りと、みぞ、だけで
トビラのない公衆便所というのを経験して、一皮脱げたような気に
なってましたが、こっちのほうは、もっと生々しいですね。