MEMORANDUM

  鳥の鴨の尾長鴨

◆ 2004年2月26日、大田区洗足池。この写真にタイトルあるいはキャプションをつけるとしたら、どうなるだろう。かんたんに「洗足池のカモ」、ちょっと修辞をほどこして「洗足池で戯れる鴨たち」、こんなところが一般的だろうか。あるいは「洗足池のオナガガモ」としてもいいかもしれないが、野鳥のページでもなければ少しこだわりすぎかもしれないし、鳥好きと思われて余計な質問が増える危険性もある。かといって、「池にいた鳥」では小学生ではあるまいし、カモを知らないのではと疑われるのもシャクである。こんなことを考えてみたのは、先日目にした一枚の写真がきっかけだった。「川に佇む鳥」と題されたその写真には、サギが一羽写っていた。あまり鮮明ではないにしても、どこからみてもサギであるものに、「鳥」とは名づけにくいなと思ったのである。サギもカモも鳥類であることには間違いないから、別段とやかく言う理由もないのだが、たとえば、境内のハトの写真に「お寺の鳥たち」というタイトルがつくことはあまりなさそうな気がするし、公園のスズメの写真に「公園で楽しく遊ぶ小鳥」というキャプションもつけにくいだろうと思う。

◆ こういったことは、もちろん写真にかぎった問題ではないので、デートの最中に池でハクチョウを見て「あの鳥、キレイね」と女性が言ったとすれば、ワタシなら少し考え込んでしまうと思う。また、鳥にかぎったことでもないので、アジサイを見て、「今日キレイな花を見ました」と日記に書く子どもには、「あれはね、アジサイっていうんだよ」と親なら教えたくなるだろうと思う。

◆ もちろん、ネコ好きのひとは、どんな種類のネコもネコと十把一絡げに呼ぶひとをバカにするだろうし、ワタシもブルドッグはイヌではなくて、ブルドッグと言ってやりたい気もする。

◆ などなど。さまざまなジャンルにおいて、総称(generic name)と種名(specific name)を使い分ける一般的なボーダーラインがどのあたりにあるのかをいろいろ調べればおもしろいかと思う。

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