◆ 「アウンのウンチク」 余話。1月2日、龍安寺。この日は、広隆寺から仁和寺を見たあと、大徳寺で友人と合流して龍安寺に行った。そのときのこと。友人に広隆寺の仁王の 「アウンのウンチク」 のエピソードなど聞かせながら、龍安寺の広い境内を散策していると、目立たぬところにひっそりとパゴダ (仏塔) が建っていた。なんでもビルマ戦線戦没者の慰霊のために、自らもビルマに赴いた住職が平和を祈願して建てたものだそうだが、このとき、ワタシは不覚にもこう云ってしまった。
◇ 「ビルマの竪琴」 か。
◆ ビルマというコトバについ反応して、思いついたときにはもう口からこぼれていたのだった。これでは、仁王を見て 「アウンの呼吸」 とふとくちばしってしまうひとを笑えない。われながら単純すぎる思考回路にあきれながら、照れ笑いをしつつ、「あの主人公の名前はなんだったかなあ? なんとか上等兵だよね」 となんとか会話を続けてごまかそうとしていると、近くに若いカップルがやって来て、やはり男性の方が云うのである。
◇ 「ビルマの竪琴」 だね。
◆ ああ、オトコってのはどうしてどいつもこいつも単純なんだろう! 反省を込めて、「ビルマの竪琴」を知らないひとのために、本も映画もあるけれど、
◇ 終戦から40年後の昭和60年(1985年)に封切られた夏休み映画。終戦後もビルマに残って僧侶となり、戦場で散った日本兵たちの慰霊に残る人生を捧げようとする水島上等兵の物語。竹山道雄の同名児童向け読み物を、和田夏十が脚色し、市川崑監督が映画化したもの。同じ顔ぶれで昭和31年(1956年)にも映画が作られているが、これは当然モノクロだった。
www.eiga-kawaraban.com/01/01110904.html
◆ そうそう、水島上等兵だった。こんなハナシも。
◇ ミャンマーでは、日本人が子供からミズシマと呼ばれることがあるが、これは作中登場人物の水島上等兵を指すものと思われる。
ja.wikipedia.org/wiki/ビルマの竪琴
◆ また、ビルマの竪琴は現地のコトバでは 「サウン・ガウ」 というらしいが、
◇ ミャンマーでは小説のように僧侶が楽器を演奏することはない。原作者の竹山道雄もミャンマーに行ったことはなかったが、平和を語るにこれほどふさわしい音色の楽器もないのではないだろうか。
www.asahi-mullion.com/mullion/column/w-music/
◆ ビルマの現在の呼称がミャンマー (ビルマとタイプしようとして何度ブルマになってしまったことか、ああ情けない!)。