◆ 東京オリンピックのことをあれこれ考えていたら、小学校の国語の教科書に、カルナナンダという選手のハナシがあったのを思い出した。題名まで憶えているのがわれながら不思議な気もするけれど、「ゼッケン67」というのである。それで《光村図書》のウェブサイトにあたってみると、この「ゼッケン67」が掲載されていた教科書は4年生用で、1971(昭和46)年から1976(昭和51)年まで使われており、「当時の編集委員による執筆」。どんなハナシかというと、 ◇ 1964年、東京オリンピックの陸上1万メートルレース。トップを争う選手たちが、次々とゴールしていく。レースは終わった。しかし、「ゼッケン67」を付けたランナーは、まだ、走るのをやめない。「周回遅れか」「がんばれよ」……やじを含んだ声が、観客席からあがる。それでもランナーは走り続ける。だれもいないトラックを、1周、2周、さらに3周……。彼のゴールは、まだ終わっていなかったのだ。勝利のためでも記録のためでもなく、自分自身のゴールに向けて走るこのセイロンのランナーに、やがて観衆は大きな声援を送り始めるのだった。 ◆ カルナナンダという名前はおもしろくて記憶に残っていたけれど、それがセイロンの選手だということまでは憶えていなかった。ああ、こんなところにもスリランカが! ついでに、「小さい白いにわとり」というのもあった。これは一年生。 |
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