MEMORANDUM

  そういうことだったのか

◇ ああ、そうなのか そういうことなのか

◆ という歌詞がブルーハーツの曲にあるそうで、調べてみると、「ナビゲーター」 という曲だった。その直前の歌詞が、

◇ ああ、この旅は気楽な帰り道 のたれ死んだところがほんとうのふるさと

◆ で、これはいまひとつピンとこないが、とにかく 「そういうことなのか」 というコトバで思い出した本の一節がある。

◇ 「なあんだ、こんなことだったのか」 路地の暗がりにはロープを張りめぐらし、逃げ込む学生を自警団と称する一団が角材で袋だたきにしていた。昨日まで表通りの商店で学生を相手ににこやかに商売をしていた商店会の男どもである。その日いちはやく店を閉じ灯を消した連中である。見事な変身であった。「そうか、こういうことだったんだな」
森山大道 『犬の記憶』 (河出文庫,p.67)

◆ 写真家・森山大道が、1968年10月21日、新宿で見た光景の記憶である。

◇ 10月21日、国際反戦デー。新宿ではデモ隊が駅構内に突入、新宿駅を中心に機動隊との大規模な衝突が起こる。(新宿騒乱)
www.artandcritic.net/tca_morioka/chronicle/chronicle_1961-1970j.html

◆ 「そういうことだったのか」 という納得の仕方には、いつでも深い諦念が畳み込まれているようで、切ない。

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