|
◆ サイクリストの事故の英文ニュース記事をあれこれ読んでいて、英語の交通事故の記事では、乗用車の車種まで明記してあることが多いことに気がついた。色や年式まで記されていることもある。その理由はなんだろう。生活における車の重要度の違いだろうか。日本でそこまで報道しないのは、必要がないと判断されているからか、それとも、自動車メーカーにたいする遠慮があるからか。考えてみれば、いろいろおもしろそうだが、いまのところはよくわからない。とりあえず、新聞記事の見本だけ。たとえば、こんなふう。トヨタ・カローラ。 ◆ 米国オレゴン州ベンド(Bend)。現在、気温3℃。 ◇ 〔The Bulletin:2012/02/13〕 Cyclist injured in Highway 20 crash ◆ 米国モンタナ州ミズーラ(Missoula)。現在、気温12℃。 ◇ 〔Missoulian:2012/05/31〕 Missoula bicyclist injured in crash with car ◆ 米国ミネソタ州プライヤー・レイク(Prior Lake)。現在、気温21℃。 ◇ 〔KNUJ:2012/06/01〕 Scott County Fatal Crash ◆ 米国バーモント州ブラトルボロ(Brattleboro)。現在、気温10℃。 ◇ 〔Brattleboro Reformer:2012/05/17〕 Two-vehicle crash on Putney Road ◆ カナダ、ブリティッシュコロンビア州ダンカン(Duncan)。現在、気温9℃。Chevron はガソリンスタンド。 ◇ 〔Cowichan News Leader Pictorial:2012/05/29〕 Cyclist struck by vehicle near Duncan Chevron ◆ カナダ、アルバータ州セント・ポール(St. Paul)。現在、気温12℃。 ◇ 〔Edmonton Journa:2012/04/17〕 Woman, 89, survives car crash with semi-trailer near St. Paul ◆ 南アフリカ、ケープタウン(Cape Town)。現在、気温14℃。 ◇ 〔Cape Argus:2012/05/14〕 7 die as car, truck collide ◆ あまり車に関心がないので、トヨタ・カローラといってもピンとこないが、《Wikipedia》によると、 ◇ 〔Wikipedia:Toyota Corolla〕 The Toyota Corolla is one of a line of subcompact and compact cars manufactured by the Japanese automaker Toyota, which has become very popular throughout the world since the nameplate was first introduced in 1966. In 1997, the Corolla became the best selling nameplate in the world, surpassing the Volkswagen Beetle. Over 39 million Corollas have been sold as of 2012. The series has undergone several major redesigns. ◆ 1997年には、フォルクスワーゲンの「ビートル(カブトムシ)」を抜いて世界で一番売れたそうだから、数に比例して事故が多いのもあたりまえか。「カローラ」はラテン語で「小さな冠」のことだそう。それから、「カムリ」は日本語の「冠(かんむり)」を英語っぽくしたネーミングであるそう。ちょっと勉強になった。 |
|
◆ 以前に書いた文章を読み返していて、 ◇ あちこちに幸町があって、そこではだれもが幸せになろうとしている。幸せなひとたちが住むところに、けっして幸町はない。(「幸」住むと人のいふ) ◆ という箇所を、これじゃあ、全国各地の幸町に住むひとに失礼かな、という気がして、書きなおそうかとも思ったが、書きなおすのはやめにして、さらに書き足すことにした。前回の記事でも引用したが、「SACHIKO」という歌に、 ♪ 幸せを話したら 五分あれば足りる ◆ という歌詞がある。しかし、幸子自身がそう感じるのはしかたがないとしても、幸子という名前に皮肉があるわけではない。そもそも幸子という名前は、幸せな女の子という意味ではないからだ。幸子という名前が意味するのは、幸せな女の子になってほしいという親の願望なのであり、じっさいの幸子が幸せかどうかにはまったく関係がない。 ◆ 同様に、優しい女の子が優子と呼ばれ、美しい女の語が美子と呼ばれるわけではない。優しい女の子になってほしいと願う親が優子と名づけ、美しい女の子になってほしいと願う親が美子と名づけるのだ。現実の優子が優しくなく、現実の美子が美しくなくても、それは名づけ親の責任ではない。 ◆ あたりまえのハナシだが、新しく生まれたものに対するこうした命名は、名づけが行われる時点での願望を表現することしかできない。もちろん、それはなにも人名にかぎったことではない。地名も同様である。住むひとが幸せになってほしいと思う気持ちから、新しい町の名を幸町と名づけるので、住むひとが幸せだから幸町と名づけるわけでは、けっしてない。願望ではなくて、現状にふさわしい名づけをせよという法律・条例ができれば、おそらく不幸町という町名が全国にあふれることになるだろう。アパートの名でも同じこと。ぼろアパートになってしまったからといって、「ボヌール」(幸せ)とか「エスポワール」(希望)とかいった新築当時の名前を律儀に改名する大家はいない。名が実態にそぐわないのは大家の責任ではない(名にふさわしいアパートにするのに必要な努力を怠ったというような意味での責任はあるかもしれないが)。実態に即したアパート名しか許されないとしたら、日本全国に無数の「貧乏荘」とか「お先真っ暗荘」が出現するだろうし、老人ホームの名称もなんかも、ほとんどが改称を余儀なくされることになるだろう。 ◆ そんなことを考えていると、すっかり陰鬱な気持ちになってしまうが、もうひとつだけ。元号などというのも、同じことだろう。
◆ これは首相に代わって小渕官房長官が読み上げた文章(だったっけな)。平成という名には「国の内外にも天地にも平和が達成される」という願望が込められているということだが、現在、国の内外に平和が達成されたと思っているひとがどれだけいるだろう。それから「天地」、とくに「地」に、平和が達成されたと思っているひとはひとりもいないだろう。 ◇ 元号が一世一元になる前なら、このような大きな災いがあれば改元がなされたはず。平成の世はじつは大乱の世であった。復興と人心の一新のため、法制変えてこのさい改元したらいいと思う。 ◆ ↑は《大震災復興への気分を変えるために「災異改元」はいかが?[絵文録ことのは]2011/03/25》というブログ記事に引用されていたもの。《Wikipedia》に、出典不詳ながら、こんなことも書いてあった。 ◇ 〔Wikipedia:平成〕 平治以来「平」で始まる元号がないのは、平治が戦役によって混乱した時代であったためであり、「平」で始まる元号はこれを避けるのが故実である。また、「平」「成」の文字の中に「干(=楯)」「戈(=鉾)」があり「干戈(戦争を意味する)」に通じる。 ◆ 干戈は「かんか」と読む。そういえば、NHKの大河ドラマ「平清盛」の視聴率が低調であるそうだが、平清盛にも「平成」の文字があるなあ。 |
|
◆ ナベツネもなべおさみ・やかん父子も、名字は渡辺。 ◆ 埼玉県のどこだったかに〔いま調べたら、東毛呂駅前に同名の店があるようなので、ここだったのかも〕、「Casserole」(フランス語で「鍋」の意)というレストランがあって、マスターに店名の由来を尋ねたことがあるが、こちらも渡辺さんだった(ような記憶がある)。料理店に「鍋」だから、連想の点では、「辺」よりもさらにしゃれていよう。 ◆ 「鍋」はさておき、ハナシを「辺」に戻すと、《コトノハ》に「渡辺は『わたな・べ』なのか『わた・なべ』なのか」という質問がある。回答は、圧倒的に「わた・なべ」が多い。どちらかと選べと言われれば、ワタシも、なんとなく「わた・なべ」と答えるだろう。こんな回答もあった。 ◇ そういや小宮山はどこまでがミヤでどこからがヤマでしょうか
◆ 「渡辺」は2字で「わたなべ」と読むわけで、「わたな・べ」でも「わた・なべ」でもないと言われれば、たしかにそうだが、この質問がおもしろいのは、「渡辺(わたなべ)」から「辺(べ)」を引いたら「わたな」が残るし、「渡(わた)」を引いたら「わた」が残るというような「漢字の引き算」にあるのだろう。「小宮山」はその上級編といった感じがする。「渡辺」は2字で「わたなべ」と読むのだ、と言うひとは、「小宮山」は3字で「こみやま」と読むのだ、と言うのだろうか、それとも、「小宮山」の「宮山」は2字で「みやま」と読むのだ、と言うのだろうか? ◆ 「漢字の引き算」というようなことを考えて、すぐに思いつくのは、川崎の溝口を「ノクチ」と呼ぶのもそうだろう。あるいは、全国各地にある「ガオカ」高校。札幌の旭丘高校や福岡の筑紫丘高校をはじめとして、ガオカと呼ばれる高校は多い。 ◆ 「ガオカ」高校の上級編は、春日丘高校。大阪の茨木市にあるのが「かすがおか」高校で、愛知の春日井市にあるのが「はるひがおか」高校。これらの両校はじっさいには「ガオカ」とは呼ばれていないようで、《Wikipedia》によれば、茨木のほうは「かすこう」、春日井のほうは「はるひ」と呼ばれているらしいが、それはともかく、「漢字の引き算」の問題として考えれば、いろいろとおもしろい。茨木の春日丘から「ガオカ」を引いたら「カス」が残って、だから「かすこう」というのか?、いやたんに語呂のせいだろうな、などと考えたあとに、ああ、この「春日丘」の場合は「かすががおか」ではなくて、春日だけで「かすが」と読むのだから、そもそも他の「ガオカ」高校とは種類が異なるのだった、ということにようやく気がついても、今度は「春日」はなぜ「かすが」と読むのだろう、とまたべつな問題が出てくる…… |