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◇ その関西ではおでんのことを関東煮と言っていることでもおでんがもとは関東のものだったことは明かで、そういう考証をしなくても確かに昔は東京におでん屋というものがあった。併し、東京がどこのどういう性質の町か解らなくなり、そこに住む得体が知れない人間がおでんのような安くて旨いものを喜ばなくなった現在では歴史の上ではどうだろうとおでんを食べに関西まで行かなければならない。 ◇ 〔おでん屋「たこ梅」:おでんの歴史〕 関西では、昭和40年ころまで、おでんを普通に「関東煮(かんとだき)」と呼んでおりました。いまでも、「関東煮」とおっしゃる年配の方は、多いようです。 ◆ 直前の引用は、大阪日本橋の関東煮の名店「たこ梅」のサイトから。関東煮の語源については、こんな説もあるそうで、 ◇ 〔おでん屋「たこ梅」:おでんの歴史〕 広東(中国の地方)の人たちが食べていた鍋から生まれた煮込み料理なので広東煮(かんとんだき)と言い、それを縮めて「かんとだき」になったと「たこ梅」で言い伝えられています ◆ この《たこ梅》は、関東煮とともに「たこ甘露煮」が名物で、織田作之助の『夫婦善哉』にもその名が出てくる。 ◇ 柳吉はうまい物に掛けると眼がなくて、「うまいもん屋」へしばしば蝶子を連れて行った。彼にいわせると、北にはうまいもんを食わせる店がなく、うまいもんは何といっても南に限るそうで、それも一流の店は駄目や、汚いことを言うようだが銭を捨てるだけの話、本真(ほんま)にうまいもん食いたかったら、「一ぺん俺の後へ随(つ)いて……」行くと、無論一流の店へははいらず、よくて高津(こうづ)の湯豆腐屋、下は夜店のドテ焼、粕饅頭から、戎橋筋そごう横「しる市」のどじょう汁と皮鯨汁(ころじる)、道頓堀相合橋東詰「出雲屋」のまむし、日本橋「たこ梅」のたこ、法善寺境内「正弁丹吾亭」の関東煮(かんとだき)、千日前常盤座横「寿司捨」の鉄火巻と鯛の皮の酢味噌、その向い「だるまや」のかやく飯と粕じるなどで、いずれも銭のかからぬいわば下手(げて)もの料理ばかりであった。芸者を連れて行くべき店の構えでもなかったから、はじめは蝶子も択(よ)りによってこんな所へと思ったが、「ど、ど、ど、どや、うまいやろが、こ、こ、こ、こんなうまいもんどこイ行ったかて食べられへんぜ」という講釈を聞きながら食うと、なるほどうまかった。 ◆ 「たこ梅」は吉田健一の『舌鼓ところどころ』にも出てくる。 ◇ 道頓堀の、湊町駅の方から行けば、大分歩いてから左側、高津神社の方からならばすこし歩いて直ぐ右側にたこ梅というおでん屋がある。 ◆ この「湊町駅」は、現在のJR難波駅。 ◇ 〔おでん屋「たこ梅」:「たこ梅」の歩み〕 この頃、作家の織田作之助さんや開高健さん、池波正太郎さん、吉田健一さんなどが、よくお店においでになり、その小説や随筆にしばしば「たこ梅」が登場いたします。 ◆ 「関東煮」のハナシがなんだか「たこ梅」のハナシばかりになってしまった。機会があれば、一度行ってみたい。 |
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◆ 「みずき」という船がある。近ごろ話題の海上保安庁の巡視船。石垣海上保安部(第十一管区)所属のPS型。名の由来は知らない。《Wikipedia:巡視船》によると、PS型巡視船の船名は山の名から取られることが多いとのことだから、「みずき山」という山がどこかにあるのかもしれないが、よくわからない。ただ、まちがってもハナミズキには由来していないだろうと思う。 ◇ 〔Wikipedia:びざん型巡視船 (2代)〕 本来、巡視船艇の船名は転属に伴って改名されるが、九州南西海域工作船事件に従事した7番船のみずきはその功績から例外として転属後もその名を留めている。みずきは尖閣諸島中国漁船衝突事件にも従事している。 ◆ 「九州南西海域工作船事件」当時、「みずき」は福岡海上保安部(第七管区)所属の船だった。 ◇ 〔Wikipedia:九州南西海域工作船事件〕 九州南西海域工作船事件(きゅうしゅうなんせいかいいきこうさくせんじけん)とは、2001年(平成13年)12月22日に発生した不審船追跡事件のひとつ。不審船は巡視船と交戦の末、自爆し、自沈している。後の調査により北朝鮮の工作船であった事が確定し工作船事件と呼称を変えた。 ![]() ![]() ![]() ◆ 正直なところ、こんな事件があったことすら知らなかった(あるいは、知っていたかもしれないが、すぐに忘れてしまった)。ただ、数年前、横浜赤レンガ倉庫あたりをぶらついていたときに、「工作船展示館」と書かれた建物が目に入り、ちょっと気になったので、入って見たことがあった。そのとき、これも正直なところ、入るまえに「工作船」というコトバでイメージできたのは、小学生が学校の授業かなにかで「工作」して作ったおもちゃの船のたぐいでしかなかったから、この展示館に入って北朝鮮の本物の「工作船」を目の当たりにしたときには、かなりたまげた。この展示館の正式名称は《海上保安資料館横浜館》。
◇ 〔海鷲の末裔〕 「まつなみ」は通常は航路哨戒や警備救難任務を行うPC型巡視艇であるが、国内外のVIPに対する迎賓艇としても使用される。〔中略〕 迎賓艇として使用する為の貴賓室や会議室も設置されている。一見すると大型プレジャーボートの様な外観をしている。 ◆ 「迎賓艇」というコトバをはじめて知った。 |