MEMORANDUM

  よろしくどうぞ

◆ プロ野球で、ピッチャーとバッターの両方で成功した選手がこれまでいなかったわけではない。解説でおなじみの関根潤三がそうだった(そうだ)。たまたま週刊文春の書評で山崎努が関根潤三の著書(『いいかげんがちょうどいい』)を取り上げていたので、そのことを知った。

◇  ぼくはいわゆるプロじゃなかったんだな。野球は楽しみでやるもので、どこでもできりゃいいと思ってた。
 三〇歳のとき、打者転向を決めた。わけ? 投手に飽きたから。今日でピッチャーやめて明日からバッターでいきますって。生意気だよねぇ。あんなことよく言えたもんだ。許した監督もすごいね。だいたいバッターっていうのは一試合に一本くらい打ってりゃ三割前後いくわけですよ。それくらいに考えてれば気楽でしょうに。そんなに悩みなさんなって。みんな悩むのが好きなのかねぇ。
 自慢じゃないけど、ぼくは練習が好きだった。あれこれ試せるから。試合はおもしろかねぇや。負けちゃいけねえって、目標やゴールをきめられてるみたいで、性に合わない。

「週刊文春」2013年1月17日号

◆ この文章は、どこからどこまでが直接の引用なのかがよくわからない書き方になっているが、気分のいい文章だ。とくに「練習が好き」だったというのがいい。読み間違えることはないと思うが、ふつうの「練習好き」というとはわけが違う。スポーツが原因で人が死んだりする世の中はどこか間違っている。努力などほどほどにしたほうがいい。《Wikipedia》によると、

〔Wikipedia〕 投手・野手両方で実績を残した数少ない選手である。史上唯一、投手・野手の両方でオールスターゲームに出場した(投手としてファン投票で1回。外野手としてファン投票で1回、監督推薦で3回出場)。また、2リーグ制以後では唯一の防御率ベストテン入り、打率ベストテン入りの双方を達成。さらに、通算50勝、1000本安打の双方の達成は2リーグ制以後唯一であり、1リーグ時代を含めても他に中日ドラゴンズなどで活躍した西沢道夫しか達成していない記録である。
ja.wikipedia.org/wiki/関根潤三

◆ 書評の続き。

◇ 解説の最初のあいさつで、ぼく「よろしくどうぞ」つていうんだってね。変だよねえ、「どうぞよろしく」なんでしょ。でも、もうこのまま通すだけ。そうやって無意識に出る言葉やしゃべり方がぼくのスタイルなんでしょう。

◆ 「よろしくどうぞ」と言うひとは、関根にかぎらず、ことのほか多いと思う。

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