◆ 櫻井寛『世界鉄道遺産』という新書版の本をぱらぱら読んでいると、オリエント・エクスプレスにかんして、 ◇ アガサ・クリスティの名作『オリエント急行の殺人』、そして映画「オリエント急行殺人事件」など、数多くの小説や映画の舞台にもなった。 ◆ と書いてあって、ここで読書がふきだまりに突っ込んでしまったかのように急停車した。小説の『オリエント急行の殺人』と映画の「オリエント急行殺人事件」って、ジャンルは違うけどおんなじハナシじゃないの? と思ったからだ。数多くあるというのなら、なにもわざわざ1つのものを2つにして挙げることはないだろうに。もしかしてアガサ・クリスティの小説に基づかない「オリエント急行殺人事件」という映画があるのかと思って調べてみたが、どうもないようである。↓のように書いてあれば、問題なく通過したと思う。 ◇ 〔西日本新聞:連載「新オリエント特急」(小野博人 2001/06/19)〕 アガサ・クリスティの「オリエント急行殺人事件」(一九三四年)、グレアム・グリーンの「スタンブール特急」(一九三二年)など、オリエント急行を利用した小説家たちによる作品が生まれ、映画化された。
◆ 「オリエント」ということで、たまたま読んだ本の引用をする(ほんとうは、こっちのことを書きたかったのだが、ハナシがまとまらなさそうだったので、「ついでに」ということにした)。フランスのブルターニュ地方にロリアンという町がある。 ◇ 旅行中、ロリアン Lorient という名を道路の標識で幾度となく眺めながら、言葉遊びのようにオリエント(l’Orient=発音は ″ロリアン" というイメージが浮かんできたことはよく覚えているが、本当にこの町の名がオリエントを意味しているのだということには気づかなかった。だからあとになって驚いたのだけれども、実はこの町は十七世紀にフランス東インド会社の基地としてつくられた港が発祥で、そのために ″東方″ という名をつけられたという歴史があったのだ。 ◆ 地味な身なりをしたこの町は、自分から過去の栄光をアピールなどしない。関心をもってくれたひとにだけ、「ああ、気づいてくれたんですか。それはどうもありがとう。べつにたいしたことじゃないんですけどね」と身の上話をし始める、そんな感じのする町だ。旅をして、目的地ではなく、途中で寄っただけの町になぜだか気が惹かれる。そういう、おまけの「たまたま」の部分がなければ、旅とはいえないだろう。などということを↑の文章から考え始めてしまうけれど、次の引用。 ◇ なるほどこの十年間の間に、日本のあちこちの都市にエスニック料理店といわれるものが増えた。〔中略〕 ◆ これは、ほんとにさっき読んだばかりの文章なので、これについては、考えるヒマもまだないが、せっかくだから、載せておく。
◆ と、もう1枚が、最初に載せた写真。東方町。こちらにはあとで驚くような史実などなにも隠されていないだろうけど、せっかくだから、調べないでおこう。そもそも「東方」を「とうほう」と読むのかどうか。違うような気もするけど、これもせっかくだから、調べないでおこう。 |
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