◆ 京都刑務所(の敷地の中だが塀の中ではない場所)に祀られている「福堂地蔵尊の由来」。
◇ この地蔵尊は、京都刑務所建築の際、当敷地内に散在していたものである。大正十三年、京都刑務所は当地に建築工事に着手し、昭和二年に京都市上京区主税町にあった旧施設から移転を行ったが、そのころから不思議なことに職員及び家族に原因不明の病死者が続出したので神仏に祈願したところ、地蔵尊を奉安するようお告げを得た。急遽官舎周辺に放置同然にされていた地蔵尊を集めて祭ることにした。祭礼により漸次病魔も退散し、平穏のうちに推移したが、その後、施設建物の増改築が進展するにつけ地蔵尊の居場所が転々と変り、お堂がないまま歳月が移りその供養も途絶えがちになった。それと符節を合わせるかのように、昭和二十六年頃再び奇病が流行し始めたので誰云うともなく地蔵尊の供養が途絶えているからだという風評がたったので、改めて、現在地に福堂を建立して丁重に供養することとなった。その後は、毎年八月下旬に盛大な供養を行っている。〔誤記と思われる箇所を一部訂正〕