◆ 週刊誌の連載エッセーで、劇団ひとりが実家の飼い犬(コロ)の死のハナシを書いていた。 ◇ コロの訃報を聞いて実家に帰り、手を合わせたその日の夜、出張専門のペット火葬業者がきた。トラックの荷台には火葬設備が整っており、神々しい光と音楽に包まれて皆で泣きながら別れを告げる。一時間ほどして、すっかり骨になってしまったコロを見つめる僕ら家族に向かって業者の人が言った。 ◆ ワタシ自身は、できることならあまり他人とズレないように、人並みにふつうに生きたいと思っているけれど、ズレているひとのハナシを聞くのは好きだ。このハナシもおもしろく読んだ。そう書いて、いや待てよ、このハナシを「おもしろく」読むこと自体がズレていたりはしないだろうか、とちょっと不安になった。どうなのだろう? ところで、このコロの葬儀の場で、ズレているのはいったい誰? 劇団ひとりのお母さん? 火葬業者の人? それとも、劇団ひとり自身? やっぱり、一番ズレているのは、こんな文章でさえ気軽に読み飛ばせないワタシかなあ。 |
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