◇ 博多より極上の明太子を当店オリジナルソースにて作り上げた一品です。850円。 ◆ だそうだが、ワタシには量が多すぎた。刻み海苔がのせてあるほかはうどんと明太子ソースだけだから、ちょっと飽きる。半分の量で、半分の値段なら喜んで、といったところ。ところで、この「博多より極上の明太子」という部分、「明太子といえば、博多」というのが通り相場になっているけれど、明太子の「生みの親」であるスケトウダラ(スケソウダラ)自体は北方の魚で、 ◇ 〔水産総合研究センター 北海道区水産研究所〕 スケトウダラは、北太平洋に分布しており、日本海(韓半島~サハリン)、太平洋(常磐地方~ベーリング海~カナダ)、オホーツク海(北海道~サハリン~カムチャッカ半島)で漁獲されています。日本近海では、北海道の周辺と三陸地方の沿岸が、主な漁場となっています。 ◆ 日本でスケトウダラといえば、近年、漁獲量が激減しているとはいえ、北海道が本場であることには変わりがなくて、博多の辛子明太子屋でも、北海道産にこだわり続ける店は数多い。 ◇ 〔しまもと〕 辛子明太子の命。それは素材である「たらこの鮮度」です。明太子の原料となる「スケソウダラ」は北の海でしか獲れません。通常出回っている辛子明太子の、実に9割以上がアラスカやロシアで獲れた冷凍卵と言われる輸入された卵(たらこ)を使用している中、しまもとでは抜群の鮮度を誇る「北海道たらこ」にこだわり続けています。 ◇ 〔ひろしょう〕 現在、ほとんどの明太子は、アメリカやロシア産の卵で作られています。それは、北海道で水揚げされるスケソウ鱈の卵(真子)の数が減ってきているため、相場の変動が激しくとてもあつかいにくい原料だからです。しかしひろしょうでは、あえて北海道産しか使用していません。その理由は、卵本来の持つ風味と粒子感がひろしょうの明太子に最も適しているからです。 ◇ 〔椒房庵〕 椒房庵の辛子明太子の原料は、北海道産のたらこです。その大きな理由は、なんといっても濃厚なうまみにあります。生のまま塩漬けし、魚卵のうまみをしっかり閉じ込めることができるからです。 ◇ 〔いとや〕 「いとやの味の明太子」は北海道のスケソウウダラの真子のみを厳選使用しておりますので、お口の中で、はじける北海の幸の旨さを存分に堪能いただけます。 ◇ 〔幸村英商店〕 北海道産の素材にこだわった明太子を作り続けて四十余年。今や、その味わいは博多だけにとどまらず全国の皆様に親しまれるようになりました。 ◆ 続ければキリがないが、こうして引用していると、北海道ファンのワタシとしては、たいへん気持ちがいい。「明太子といえば、博多の名産」ということになっていて、それはそうなのだから仕方がないが、スケトウダラがいなくては明太子も作れないわけで、そのスケトウダラが実は北海道の特産であることを知らないひとに、そのことを知ってもらうためにも、博多の明太子屋がことさら北海道産にこだわってくれているのは、たいへんありがたい。 ◆ 北海道のなかでも、岩内はスケトウダラの延縄漁で有名で、 ◇ 〔朝日新聞〕 さかのぼれば明治30年代。福井県出身の漁師・増田庄吉が岩内に伝えた漁法が、北海道のスケトウダラはえ縄漁の始まりだとされる。同じスケトウダラ漁でも、えさで釣り上げるはえ縄漁は、底引き網や刺し網、定置網を使う漁より魚体の傷みが少なく鮮度がいい。 ◇ ぼくはたらこの親スケトウダラです。岩内のたらこは前浜で一本一本釣った魚をすぐ製品にするので日本一の味になるのです。 ◆ とはいえ、この岩内の「日本一」のたらこが博多で辛子明太子になっているかどうかは、よくしらない。でも、博多に「辛子たら丸」はいないと思う。もしいたら、たらこ唇がひりひりして、ほんのり赤く腫れ上がって、明太子唇になってるはずだろう。 |
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