MEMORANDUM

  生きている

◆ 2003年2月19日の「PhotoDiary」を編集しなおした。編集前、この写真には「生きている」というタイトルと、

◇ 帰りのバスには狂女。無言のバス内での一人舞台。彼女が降りてしばらくのち、運転手がこう云った。「御迷惑をおかけしました。運転手よりお詫び申し上げます」。なんと見事なアナウンス。それにしても、これも黒猫のせいか? 写真の色までなんだかおかしい。

◆ という文章が添えてあった。そんなことがあったのだろう。もちろん、憶えてはいない。なんとなくなら、ああ、そんなこともあったな、という気がしないでもない。

◆ 「狂女」などということばを使ってもいいものかどうか。とにかく、仕事帰りのバス(渋谷駅発中野駅行)の車内でのできごと。どこかのバス停で、とある女性が乗車してきた。年は30ぐらいだったか、60すぎだったか、まったく記憶にないので、書くことができない。その女性が、みな疲れておしだまっている乗客を挑発するかのように、大声でなにやらぶつくさひとり言をいい始める。なにを言っていたのかも記憶にないので、書くことができないが、休むことなく、「呪い」のことばをがなりてている。乗客はあいかわらずおしだまったままだが、空気がややピリピリしてきているようでもある。だれもが「早く降りてくれないか」と願っていたことだろう。こんな緊張感にいつまで耐えねばならないのか。もしかしたら、バスを乗り換えたひともいるかもしれない。とはいえ、長距離バスではないから、もう少しの辛抱だ。どこかのバス停でその女性が下車する。とたんに、バスのなかの空気が緩んで、バスの運転者がこう言った。「御迷惑をおかけしました。運転手よりお詫び申し上げます」。

◆ そのようなことがあったのだろう。その日、バスを降り、ウチに帰って、パソコンで「PhotoDiary」の編集をしたときに、そのことを書いておきたくなったのだろう。黒猫とはなんの関係もないのに、そのことをそこに書いておいた。「生きている」という思わせぶりなタイトルはネコにたいしてのものだったか、バスの女性にたいするものだったか。それも憶えてはいないのだが。

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