MEMORANDUM

  FOR COLORED PATRONS ONLY

◆ Madeleine Gilbert Christenson さんの投稿記事からもうすこし。

◇ The distinctions between negroes and whites impress westerners most. In the office in which I worked there was a reception room barely big enough for six chairs, and yet on one side of the room was the neatly lettered sign "colored" and on the other, "white." The streetcars have movable wooden contraptions that clamp on the back of the seats and say: "for colored patrons only." If an unsuspecting northerner fails to notice the sign as did my mother when she was visiting me, the conductor will usually ask that the person move to another seat. A colored passenger never makes this mistake.
Eugene Register-Guard - Jun 24, 1939

◆ 1939年ごろのニューオーリンズの路面電車には、「for colored patrons only」と書かれた木製の移動式表示板が車内中ほどの座席のうしろに付けられていて、それより後ろが黒人用、それより前が白人用と、人種によって座る席が決められていた。そんなルールを知らない北部のひとが表示に気づかずに黒人席に座ると、車掌に席を移るように注意される。わたしの母がそうだった。黒人はそんなミスはしない、云々。

◆ 1955年に時代設定された『エンゼルハート』にも、ニューオーリンズの路面電車が登場して、ミッキー・ロークが座った座席の前に「for colored patrons only」の文字が読める。ということは、ミッキー・ロークは黒人席に座っていることになるが、車掌はなにも言わない。この表示板は1939年のものとは形状が違うようだし、木製ではないかもしれないが、まあ同じようなものだろう。バスにも同様の表示板があった。

〔同志社大学名誉教授・榊原胖夫〕 そのころ〔1955年〕の南部は人種隔離(セグリゲーション)が原則で、ホテルもレストランも学校も公衆便所も白人と黒人は別であった。都市バスは中ほどに「黒人のお客さまだけ」という掛札があり、黒人はそれより後ろの席と決められていた。黒人の乗客が増えると、掛札は前へ、白人が増えると後ろへ移された。東洋人は前か後ろかと聞く同僚の学生もいたが、もちろん前である。黒人は、かつて奴隷だったが故に差別されているのであって、肌の色が黒くても頭にターバンを巻いていれば白人扱いであった。
www.dohkenkyo.com/kikansi/ronhyo/05-12_2.html

◆ もちろん、いまはこんな表示板はない。

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