◆ ずいぶん以前に「かどや」のハナシを書いた。そのつづき。といって、つけたすことはほとんどないので、同じことを繰り返す。四つ角には、「かどや」があるといい。 ◇ 渋高に通っていた時分、良く利用していた四つ角近くの蕎麦屋「かどや」って健在なんでしょうか? ◆ 「四つ角近く」の「近く」がやや気になるが、見なかったことにして、「四つ角の蕎麦屋かどや」はまだあるだろうか? 板橋区上板橋の「かどや豆腐店」は? 足立区足立の「珈琲&スナックかど」は? 蕨市中央の「肉のかどや」は? ◆ 台東区千束の「ラーメンかどや」は健在だが、この「かどや」はカドの部分に入口がないのが、ちょっと残念。やっぱり、四つ角の「かどや」は、(敷地がもったいなくても)カドを切り取った「面取りした」かたちの建物であってほしい。 ◆ いま、ふと気になったが、「銀座コージーコーナー」というのは、四つ角にあるのだろうか? ◆ 四つ角の「かどや」が、その屋号のゆえにあちこちで消滅しつつある、なんてことはないだろうけど、「かどや」という単純な命名にはどこかしかノスタルジックな響きがあって、 ◇ その角には、かどや(名前そのまんま)という、ばーちゃんと、じーちゃんが、やっている、野菜やら、苗やら、売っているお店が、ある。 ◆ というふうに、老夫婦が店を切り盛りしているといった印象がある。 ◇ 母屋と離れた場所にあって、お化け屋敷みたいに恐ろしかったあの勉強部屋(家)は、もうない。《母屋》とわたしが呼んでた、小学や中学の友だちだったらみんな知ってた《エンドー帽子店》も、もうない。あの辺は区画整理で姿を変えてしまって、《かどや》も、もうあの角にはない。あの通りにあった《今村おもちゃ屋》も、《池元仏壇》も、散髪屋さんの《つばめ》もない。だから、父が夜中に釣りから戻って車を停めた駐車場(そこではよくゴム跳びをした)も、父がパンツ一丁になって水浴びをした井戸水の流れる洗い場もない。そうして、父さえも、もういない。 ◆ つくづくブログというのは不思議な世界だなと思う。「かどや」をキーワードにするだけで、それまでまったく縁のなかったひとの人生をかいま見ることができたりする。「今村おもちゃ屋」も、「池元仏壇」も、「散髪屋さんのつばめ」も、もちろん知らない。けれど、四つ角の「かどや」とともに、いまはもうないその風景をおぼろげながら思い出せそうな気もするのだ。 |
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大手町にル・カフェ・デュ・コワンがあり、大船にカフェ・ドゥ・コワンがありますよ。
rororo さん、
情報ありがとう。そのうち、「続々かどや」を書きますね。