◆『 週刊文春』10月9日号、「阿川佐和子のこの人に会いたい」の対談相手は甲斐よしひろ。見出しに、
◇ ジェロも氷川君もロックな感じでいいね。
◆ とあって、思わず笑ってしまった。これまでずっと、甲斐バンドにはなんだか演歌っぽい感じの曲が多いな、と思っていたから。まあ、演歌ロックも悪くはない。たまたま同じ週刊誌の「近田春夫の考えるヒット」の見出しに、
◇ 英語の発音に懐かしい香りがあるGLAYに歌謡曲を歌ってほしい!!
◆ とあって、そういえば、甲斐バンドの曲には「英語の発音がGSみたいで、ちょっと最近のJポップにはない懐かしい香り」がテンコ盛りなのだった。たとえば、「安奈」という曲。
♪ 安奈 クリスマスキャンドルの灯はゆれているかい
安奈 おまえの愛の灯はまだもえているかい
◆ ていねいにカタカナ英語として(つまりは日本語として)発音される「ク・リ・ス・マ・ス・キャ・ン・ド・ル」の箇所などは、すばらしく演歌っぽい。ついでに、「~かい」「~かい」ってところが、自己アピールみたいな気がして仕方がなかったり。安奈という女性名は、Anna という外国人なのかどうか。たとえば、ロシア人のアンナさんであったとしても、「あんなあ~」と歌われると、とたんに、着物でも着ていてほしくなる。あるいは、こうしたチャンポン具合こそが、和製ロックの真髄でもあったりするか?
◇ 甲斐 だから、曲はほとんどツアー先で書いてます。『安奈』は函館のバーで、コースターの裏に一番の歌詞を書いて、二番、三番は渋谷のバーで。一年後に函館の同じバーに行ったら、サラリーマンのおじさんが座ってて、酔っ払って『安奈』を口ずさんだんです。俺、そのとき涙出た。
◆ まさしく演歌の世界である。また、こんなこともあった。小学生のころだと思うが、歯医者に通っていたときに、有線から、
♪ テレフォン・ノイローゼ~、アハ
◆ という甲斐バンドの曲が流れていたことがあって、治療台に座りながら、虫歯の痛みがさらに強まった気がしたものだった。もうひとつだけ。甲斐よしひろは左利きで、
◇ ギターも左弾きですが、右利き用のギターをそのまま左で(弦が上下逆になった状態で)弾かれているようです。このような「右用ギターを左弾き」というのは甲斐よしひろさんだけの弾き方というわけではなく、松崎しげるさん、ベイビーフェイス、オーティス・ラッシュなど何人か拝見しています。
homepage1.nifty.com/hidex/left2/kai_y.html
◆ とはいえ、ギターという楽器は左利きにとくべつ不便にできているというわけでもなくて、むしろ、
◇ ギターを覚えるとき最初に苦労するのは左手です。右利きの人は不器用な左手を必死になって訓練するのです。
glife.aki-f.com/column/lefty.shtml
◆ じゃあ、どうして?