MEMORANDUM

  郵便

♪ さみしさのつれづれに
 手紙をしたためています あなたに
 黒いインクがきれいでしょう
 青い便箋が悲しいでしょう 

 井上陽水「 心もよう」(作詞:井上陽水,1973)

♪ 雨上がりの朝 届いた短い手紙
 ポストのそばには 赤いコスモス揺れていた

 ダ・カーポ 「結婚するって本当ですか」(作詞:久保田広子,1974)

♪ これから淋しい秋です
 ときおり手紙を書きます
 涙で文字がにじんでいたなら
 わかって下さい

 因幡晃 「わかって下さい」(作詞:因幡晃,1976)

♪ あなたからの エアメール
 空の上で 読み返すの

 サーカス 「アメリカン・フィーリング」(作詞:竜真知子,1979)

♪ 君の手紙読み終えて切手をみた
 スタンプにはロシア語の小さな文字

 太田裕美 「さらばシベリア鉄道」(作詞:松本隆,1980)

◆ むかしは、郵便というすてきな制度があって(いまでもあるけど)、手紙を書いて封をして切手を貼ってポストに投函する、そんな一連の作業のあいだに、考えがまとまったり、決心がついたり、気が楽になれたりしたものだ。うまく形にならない心のもやもやを手紙というひとつの形にすることで、ずいぶんと心がすっきりする。そんな効果が郵便という制度にはたしかにあった。何枚も書き損じた便箋を破っては捨て、わけがわからなくなって、気分だけは高まって、そのあげく、もうこれでいいやと推敲もせずに急いで封をして切手を貼って走ってポストに投げ入れる。あとは野となれ山となれ。それから、その手紙が相手に届くまでのあいだに流れるゆるやかな時間。やっぱりあんな手紙出さなかった方がよかったなという後悔やら、こういう風に書くべきだったかなという反省やら、うまく気持ちが伝わるだろうかという期待やら、もろもろの感情とたわむれながら、とりあえずは手紙を出せてよかったという達成感(それが自己満足であれ)にひとときは安堵する。そんな時間を思い出したくて手紙をあたらめて書いてみたい、と思ってみたりもするけれど、もう郵便にそんな力は残っていないだろう。

◆ でも、たくさんの切手があまっているからなあ・・・。

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