◆ 『臨機応答・変問自在』 という新書を読んだ。作者の森博嗣(ひろし)という 「ミステリィ」作家はかつて国立大学工学部の「教官」であったそうだ。 ◇ 大学の教官として授業を行うようになって既に二十年近くになる。最初の頃はとにかく勉強した。人に教えるためには自分の知識に自信を持たなければならない。計算方法にも判断にも、慣れていなければならない。言葉を知っているだけでは不足で、その実質を知っている必要があるからだ。学生よりもちょっと知っているくらいでは、どきどきしてしまうだろう。 ◆ で、がむしゃらに勉強したことで、こんな感慨を抱くにいたる。 ◇ しかし、こんなに勉強したら、教師は学生よりもどんどん賢くなってしまうではないか。これでは、学生はいつまでたっても先生には追いつけない道理になる。 ◆ ワタシは大学の教師でもなく、「とにかく勉強した」こともないが、似たようなことを感じることがままある。 |
このページの URL : | |
Trackback URL : |