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  パリッシーのヘビ

◆ 数日前、ヘビのハナシを書いて、パリッシーのことを思い出した。

〔Wikipedia〕 ベルナール・パリッシー(Bernard Palissy, 1510年頃 - 1590年)は、フランス・ルネサンス期に活躍した陶工である。ガラス工として各地を遍歴。ガラス工の需要が少なく、測量の仕事に従事した後、独力で釉陶の研究に取り組んだ。貧困の中、家具や床板まで燃料にして研究を続けたというエピソードがある。15年ほどかかってようやく技法を完成し、「田園風土器」 として人々に知られるようになった。
ja.wikipedia.org/wiki/ベルナール・パリッシー

◆ この 「田園風土器(陶器)」 にヘビがいる。

〔物語 錬金術師たち〕 パリッシーと聞けば、西洋陶器に詳しい方ならグロテスクな、カエルやヘビ、イモリ、カタツムリといった爬虫類他をメインに据えたいささか気味の悪い皿や壷など思い浮かべることだろう。女性に嫌われそうなモチーフばかり選んだようで、何かコンプレックスでもあったのかと勘ぐりたくなるが、これはパリッシーの自然指向による。
www.geocities.jp/Portlandvase/alchemist.htm

◆ この 「いささか気味の悪い皿」 の一枚がルーヴル美術館にあって、その 「解説」 が日本語で読める。

◇ この透明釉陶の大皿に施された装飾は、主に小動物(魚、トカゲ、カエル、ザリガニ)、貝殻、植物などのきわめて立体的な浮彫りから成っている。コバルトブルーに塗られた石ころだらけの表面には、水を思わせるうねりが彫り込まれているのが見え、その上で動物たちと植物たちは、生命を得ているかのようである。[拡大画像]

◆ 「小動物(魚、トカゲ、カエル、ザリガニ)、貝殻、植物」 とあって、ヘビが抜け落ちているのはどうしたことだろう。皿の中央に堂々とうねっているというのに。

◆ 以下、各地の美術館のサイトから(といっても、ほとんどアメリカばかりになってしまったが)、パリッシーの作品を拾い上げてみた。ここにも、ここにも、ヘビがいる。

メトロポリタン美術館
The Metropolitan Museum of Art, New York
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ボストン美術館
Museum of Fine Arts, Boston
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サンフランシスコ美術館
Fine Arts Museums of San Francisco
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ポール・ゲッティ美術館
The J. Paul Getty Museum, Los Angeles
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クラナート美術館(イリノイ大学)
Krannert Art Museum, Champaign


ヴィクトリア&アルバート美術館
Victoria and Albert Museum, London

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