MEMORANDUM

  PEACE!

◆ 千葉県我孫子市中峠。国道356号線沿いの古ぼけた煙草屋になつかしいピースの看板。とりあえず PEACE!

◆ 以下は 谷川俊太郎の 「GO」 という詩の一節。

◇ さあ いこう 煙草ふかして / 煙草はLMそれともサレムそれともキヤメルそれともクールそれともマホルカそれとも光 ああ何という自由 煙草はフイリツプモリス煙草はゴーロワーズ煙草はマルボロー煙草はネイビイカツト煙草はコロナ煙草はホープ ああ何という自由 煙と共に立ちのぼる希望

◆ いま東京で 「さあ いこう 煙草ふかして」 などとやると、たいてい路上喫煙禁止条例にひっかかることにもなるが、むかしは 「ああ何という自由」 があったことだろう、喫煙者はあたりかまわずタバコを吸っていたのだった。

◆ サレムはいまではセイラムと読むのがふつうだろう。マルボローはマールボロそれともマルボロ? マホルカはマヨルカそれともマジョルカ?

◆ 二十年ほど前、アイルランドの煙草屋で、「メジャーなタバコをくれ」 と言ったら、「Major」 というタバコが出てきたのには驚いた。

◆ 銭湯も、

◇ 東京都浴場組合はこのほど、平成18年6月1日より都内の公衆浴場施設内での全面禁煙を決め、全浴場に対して受動喫煙防止のための処置をとるよう、協力要請の通知をいたしました。喫煙者の皆様には誠に心苦しい次第ではありますが、ご理解とご協力をお願いいたします。
www.1010.or.jp/news/news.html

◆ ということで、禁煙のところが多いけれども、よく行く銭湯は、脱衣場に灰皿が置いてある。そもそも番台のオヤジがいつもタバコをふかしている。

◆ 「タバコは吸わないのでその銘柄はよくわからない」 という言語学者の田中克彦が、谷川俊太郎の上記の詩を挙げて、「カタログ詩」 にすぎないと批判している。

◇ ほんにまあ自由なこと。ホープから希望への引き継ぎの安っぽさ。
田中克彦 『法廷に立つ言語』 (岩波現代文庫,p.32)

◆ これがホープではなくピースだったら、どうだったろう。谷川俊太郎は 「煙と共に立ちのぼる平和」 と書いただろうか?

◇ はじめて 「ピース」 の名前を付けたタバコは、大正9年に発売されていますが、その時は第一次世界大戦終結記念として発売されたのでした。その後、第二次世界大戦終了後に、現在のピースの直接的先祖の型が発売されます(発売は1946年(昭和21年)1月)。もちろん戦争の終結を記念して 「ピース」 という名前になったのです。ピースは戦後日本の象徴ともいえる商品なのですね。
www.maboroshi-ch.com/cha/tab_18.htm

◆ 第二次世界大戦後の1946年1月13日、ピースの発売日。これを記念して、1月13日は 「タバコの日」 なんだそうだ(「ピース記念日」 とも)。

◇ 1946(昭和21)年、戦後初の高級タバコ 「ピース」 が発売されたことを記念して制定。当時1箱10本入り7円で、生産量がすくなかったために購入は1人1箱、発売日も日曜・祝日のみという制限つきだった。ちなみにタバコの 「ピース」 といえばパッケージのハトマークがよくしられているが、このパッケージ・デザインは 「キャメル」 や「 ラッキーストライク」 のデザイナーとして有名だったアメリカのレイモンド・ローウィ作。
ocntoday.blogzine.jp/today/2007/01/113_877d.html

◆ オリーブをくわえた一羽のハト。さすがに高い金を支払っただけのことはあるしゃれた Raymond Loewy のデザイン。あるいは、日本の平和はアメリカによってもたらされたということの象徴なのか? まあいい、とりあえず PEACE!

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