MEMORANDUM

  としをとるのは

◆ はらたいらが63歳で亡くなった。宇崎竜童は60歳で阿木燿子は61歳だそうだ。今日のスポーツ新聞に阿木燿子のインタヴュー記事が載っていた。

◇  怒涛(どとう)のように押し寄せる加齢症候群。これを次から次へ受け入れるってことはかなりつらい。年齢なんか聞かれても、ある時から、あんまり言いたくない。
 「そう。わたしも、パキスタンを旅したことがあって。その時、地元の子供たちと一緒になって。そしたら、ワタシを囲んだ子供たちが、すぐ聞いてくるの。“いくつ、いくつ。おばさん、いくつ” って」
 ――言えました?
 「言えなかった。なんだか向こうの人って、私ぐらいの年だと、本当にお年寄りって感じなのね。そんなこともあって。言えなかった。言いたくない気持ち、よーくわかる。でも、本当は自分の年を肯定するというか、受け入れるようになりたい」

「日曜日のヒロイン:阿木燿子」 『日刊スポーツ』 2006年11月12日付30面

◆ ついでに松任谷由実は52歳で中島みゆきは54歳だそうだ。中島みゆきの歌にこんなのがある。

♪としをとるのはステキなことです そうじゃないですか
  忘れっぽいのはステキなことです そうじゃないですか

  中島みゆき 「傾斜」(作詞・作曲:中島みゆき)

◆ 夭逝に憧れた過去があるわけでもなし、近頃の自殺の方法のハヤリはどうして首吊りなのだろうということが気になったりはするけれど、特に死ぬべき理由もないので、なんとなく生き続けてきて、はや四十余年。歳をとるのがステキなことだと思えるのは、以下のようなときだったりもする。

◆ ある朝、ワタシは玄関の外で、なぜだか財布から120円を出していたのだった。しばらくその120円で自分がなにをしたいのかが理解できなかった。ワタシがいま玄関の外にいるのは、仕事に出かけるためで、と自分の行動をいま一度復習してみると、アパートの部屋から出たのだから、しなければいけないのはカギを閉めること。だから、財布からカギを出して・・・、ああカギ出してないや。カギを出さずに120円を出してるや。なにやってんだか。でも、どうして120円。ああ、缶コーヒーを買おうとしたんだな。でも玄関の前には自動販売機はない。ちと順番を間違えた。ただそれだけのこと。ははは。

◆ 先日(10月17日)逝去された西洋史学者の木村尚三郎の講義は、ナニがナニしましてですね、といった調子の固有名がいちじるしく欠如したハナシが延々と続くので、ナニがナニやらさっぱりわからなかったとか。

◆ アイルランドの詩人イエーツに “Men Improve with the Years” という詩があって、それを大江健三郎がどこかの小説の引用していたのを読んだ記憶があるけれど、どこだか思い出せない。「人間は歳月とともによくなっていく」 のだとしても、ワタシは土星人だからどうだかなあ!

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COMMENTS (1)

タネ - 2006/11/13 18:37

昨日見た映画「間宮兄弟」の兄弟(30そこそこ?)の母親役が中島みゆきさんで
映画に出られたこともびっくりでしたけど 母親役かぁ・・と思ったんです
   54歳 ううむ・・タネ姉と同じ年だった

・・・まあ役柄として不自然な年齢ではないですけど、なんてたって芸能人ですからやはり年の取り方がキレイだと思いました
 
  

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