MEMORANDUM

  腕時計

◇ 時計を右の腕に嵌めることに、深い理由があるわけではない。右利きの人は時計は左の腕に嵌めるものである。そうしてそれがなぜかというと、そのほうがずっと合理的だからである、ということを知識として知ったのが、すでに日常的に腕時計をするようになったあとだった、それだけの話である。
鷺沢萠 『ナグネ・旅の途中』 (角川書店,p.83)

◆ ずいぶん以前から腕時計をしなくなった。今では持ってさえいない。だから、右にするか左にするかで悩む必要もない。なんであれ、装身具が好きではない。締めつけるものはすべてキライである。「時計を右の腕に嵌める」 の 「嵌める」 という字を見ただけで、イヤになる。圧迫される気がする。せめてひらがなで書いてほしいと思う。

◆ 高校の入学祝いとして腕時計をもらったことがある。そのとき、その腕時計を右腕にしたのだったか、左腕にしたのだったか、まるで記憶がない。左腕だったかもしれない。とすれば、ワタシは左利きだから、それは不合理なことだったのだろうか?

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