MEMORANDUM

  ホタルとブラキストン線

◇ 自然発生のゲンジボタルは青森まで、ヘイケボタルは北海道でも見られる。
allabout.co.jp/travel/drive/subject/msub_hotaru.htm

◆ 北海道ではホタルを見たことがなかった。そもそもホタルが生息していることも知らなかった。ゲンジではなくヘイケなのが残念だが、それでもホタルがいるらしい。ヘイケボタルの分布はサハリン、シベリア東部にまで及ぶという。とはいえ、基本的にホタルは熱帯の昆虫なので、

◇ ゲンジボタルの場合は北上して分布をひろげたが、ブラキストン線 (津軽海峡) はついに越えられなかったのである。しかしヘイケボタルの場合は、耐寒限界温度がより低く、北海道をさらに北上し、シベリアにまで達することができたと考えるべきなのである。
矢島稔 『昆虫誌』 (東書選書,p.14)

◆ ブラキストン線とは、ご存知のかたも多いだろうが、

◇ 英国の学者ブラキストンが明治時代、「北海道と本州の生物分布が明らかに違う」として、津軽海峡に“生物境界線”を提唱した。これがブラキストン線だ。端的に言うと、日本では、ヒグマ、キタキツネは北海道にしか生息せず、ツキノワグマ、ホンドギツネは本州にいて北海道にはいない、という具合だ。
www.toonippo.co.jp/photo_studio/insects/choucho/shijimi/column25.html

◆ もう少し例をあげれば、

◇ ブラキストン線は、ニホンザル・ツキノワグマ・ニホンカモシカ・モグラ科などの北限、ヒグマ・クロテン・ナキウサギ・シマリスなどの南限となっている。
www.eic.or.jp/ecoterm/index.php?act=view&serial=2340

◆ といった具合。

◆ 先に 「ゲンジではなくヘイケなのが残念だが」 と書いてしまったが、そもそも源氏も平家も北海道とはなんの関係もないので、なにも残念がる必要はない。ただ北海道には各地に義経伝説が残されていたりもするので、どちらかといえば、平家よりは源氏のほうが北海道に似つかわしいかと思ったまでのハナシ。

◇ 生涯を通して報われることの少ない悲劇の若武者への熱い思いは、 "義経は、ひそかに平泉を出て北へ向った"という伝説を今に伝えています。青森から船で津軽海峡を渡り、北海道各地に足跡を残しながら、ついには大陸にわたり、ジンギスカンとなったという壮大なロマンにまで発展しています。
www.akiku.com/hokkaido/yoshitsu.html

◆ ヨシツネははたしてブラキストン線を越えたのかどうか?

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