MEMORANDUM

  きしめん・真田紐・サナダムシ

◇ サナダ虫が「真田紐」から名前ができたといっても、今の若い人はそのわけを知らない。それで、僕は「サナダ虫」をもっと若い人に知ってもらおうと思って、新しく、「きしめん虫」と名前を変えて発表した。 / ところがである。その日から僕のところにジャンジャンと抗議の電話が鳴り続いたのだ。すべて名古屋からだった。
藤田紘一郎 『獅子身中のサナダ虫』 (講談社,p.61)

◆ 「若い人」 ではないけれど、ワタシも真田紐なんて知らない。

さなだ-ひも (名) 眞田紐 〔天正ノ頃、信州ノ眞田氏、刀ノ柄(ツカ)ヲ巻キ始メタルヨリイフト云、或云、眞田幸村、高野山ニ居テ織リ始メタリト、或ハ、狹之機(サノハタ)の約ニテ、古ノ狹織(サオリ)ノ帶ナドノ遣ナラムトイフハイカガ〕 木綿絲ニテ、扁(ヒラタ)ク厚ク組ミ作レル紐、大抵、縞(シマ)ニ打ツ、或ハ、幅ヲ廣ク打チテ、男帶ナドトス、又、絹絲ヲ交フルモアリ。
大槻文彦 『言海』 (ちくま学芸文庫,p.550)

◆ 長野県小県郡の 《真田町公式ホームページ》 によれば、真田紐の用途について、

◇ 古くは刀の下げ緒・たすき・行商の荷紐・男の帯・はてはランプの芯など日常的に広く使われました。 // 近年まで長野県の小県地方で体育の授業で使用された(下駄スケート)を足にくくりつけるのにも使用されたので、団塊の世代あたりには記憶があるかもしれません。/ 現代では陶器などの箱紐に使われるくらいで、
www.sanada.or.jp/contents/column/himo/sanadahimo.html

◆ 「下駄スケート」 の写真も上記サイトより (この写真、スケート靴の下に敷いてある新聞の記事もスケート関連である)。写真の説明には、「実際は足袋を履いた上に真田紐で縛っていた」 とある。

◆ 真田といえば、NHKの人形劇 『真田十勇士』(1975.4.7~1977.3.25) が懐かしい。辻村ジュサブロウの人形。

◆ きしめん、真田紐、サナダムシ。たしかに 「さなだムシ」 を 「きしめんムシ」 と呼ぶのはあんまりだと思うから、「きしめん」 を 「サナダムシめん」 と呼んではどうか? これもやっぱりあんまりだから、「真田紐」 を 「きしめん紐」 と呼ぶことにしよう。これなら問題はなさそう? 問題もないけど、必要もない?

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COMMENTS (1)

rainer - 2005/07/18 08:17

この記事を読んでいたら「岩田帯」はなぜ岩田かという疑問が浮かんで調べてしまった…

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