◆ 仕事の帰りに中目黒のブックオフで中村うさぎと石井政之の対談『自分の顔が許せない!』(平凡社新書)という本を買った。ブックオフという古本屋はかなりキライなのであるが、安いのでつい入ってしまう。情けない。それはさておき、電車のなかでその本を開いて、石井政之による「まえがき」を読み始めた。 ◇ 僕の顔の右半分には生まれつき大きな赤いアザがある。このアザは、医学的には単純性血管腫という。皮膚の表面に血管が露出している症状である。新生児約一〇〇〇人中三人の割合で、身体のどこかにアザのある子どもが生まれる。僕は顔面にそのアザが現れているのだ。 ◆ いきなり、びっくりした。それというのも、ワタシもまた1000分の3という選ばれし子どものひとりだったからである! さいわい(というほかないだろう)、ワタシのアザは顔ではなく、右腕の上腕部の外側にあって、目測で幅3~4センチといったところ(あとで正確に測ってみよう)。形はオーストラリアか四国みたい。 ◇ 痛みはないので、病気という実感はない。しかし、普通の顔をした人からは、気持ち悪い顔であると認識されるため、畏怖や哀れみの視線を浴びることは日常茶飯事である。 ◆ ワタシにも、もちろん、アザが病気だという認識はなかった。でも病気だったのか。 ◇ 赤アザは,血管腫といわれるものです。血管が限局的に増加あるいは増殖し,赤血球のために赤くみえる皮膚病変です。種々のものがありますが,自然に消退するものがあります。赤アザは3つに分類されます。①-1:単純性血管腫(ポートワイン・ステイン)①-2:苺状血管腫①-3:その他の血管腫 ◆ ポートワイン・ステイン(portwine stain)。なんだかステキなネーミング。気のせいか。 ◇ Many children are born with some form of birthmark somewhere on their body. I have one too. Mine is known as a portwine stain, is red and is on the right side of my face and it's growing... It gets darker when a heavy weather system is on its way in. My mother always said I was her walking barometer! She didn't have to listen to the weather man. One look at me and she knew a storm was coming. ◆ なんと役に立つアザだろう。今まで気づかなかったが、もしかしたら、ワタシのアザもそうであるかもしれない。自分で書いていても、正直なところ、こういう話題については冗談がいいにくい。 ◆ 子どものころ、半袖を着る季節になると、たまにワタシの腕のアザに気づいて、それどうしたの? と聞いてくる同級生もいた。そんなときには、いつでも、生まれつきなんだ、と答えていた。この「生まれつき」というコトバをワタシはアザにかんして以外に使ったことがないように思う。 |
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