MEMORANDUM

  ルンペン

◆ いつだったか、goo の新着日記をパラパラ見ていて、気になった文章がある。

◇ 今日、原宿の公園でルンペンに追いかけられました。

◆ 気になったは(もちろん)「ルンペン」というコトバで、いまどき誰がこんなコトバを使うのかと思って、この日記の作者の profile を見ると、19歳、男性、大学生。なおさら、なんともいえない気分になる。

◇ 遠い昭和の時代の事です。「ルンペン」という言葉がありました。ボロ切れという意味のドイツ語ですが、日本では、浮浪者の事を指して言いました。その人もルンペンと呼ばれていました。方々で食べ物や小銭などを恵んで貰いながら日本中を放浪して回ったのです。
www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/picture/010224.htm

◆ これは山下清のこと。どうして、ルンペンなんてドイツ語が輸入されたのかというと、これは、もちろん、マルクス主義の影響で、ルンペンプロレタリアートというコトバがあった。

◇ The Lumpenproletariat (directly translated: rag-proletariat) is a term used by Marxists to describe the section of the proletariat that can't find legal work on a regular basis. These may be prostitutes beggars or homeless people.
www.fact-index.com/l/lu/lumpenproletariat.html

◆ 「goo 辞書」には、

◇ 社会の最下層に位置し、労働意欲を失った浮浪的無産者。労働者階級から脱落した極貧層。

◆ とある。いまでは、ルンペンというコトバが死語であるより前に、プロレタリアートというコトバの方がとっくに死語になってしまっている。

◆ 「19歳、男性、大学生」がどうして、ホームレスではなく、浮浪者ではなく、ルンペンというコトバを選択したかが、ワタシにはやはり気にかかる。他愛のない理由であっても。

関連記事: