◆ 「蓼食う虫も好き好き」というコトワザがあるが、その反対はなんだろう? 「蓼食う虫も嫌い嫌い」だろうか? それとも「蓼食わない虫も好き好き」だろうか? と、まあ、そんなことはどうでもよいが、好きなものがひとそれぞれであるように、嫌いなものもひとそれぞれである。嫌いなものと怖いものとは少し違うかもしれないが、 ◇ 小さいときに、経験したことってトラウマってやつですか、記憶に残りますよね。私、誰にも言ってませんが、“こいのぼり怖いんです。小さい頃、近所のおばちゃんが、「ほら、あのこいのぼり見てごらん、おっきな口だろ。あんたを食べちゃうよ。」って言われて、もう怖くて、怖くて・・・いまだに5月大嫌いです。 ◆ なるほど。それもそうかもしれない。 ◇ わたしは世界地図がこわいです。普通の絵はこわくないのですが、海底などの深さがリアルに表示されているカラー地図は、腹の底から這い上ってくるような恐怖を感じます。小さい頃は月面の拡大写真もとてもこわかった。 ◆ なるほど。それもそうかもしれない。 ◇ 私の怖いものと言えば、「カーテンの隙間」だ。子どもの頃、TVドラマかなにかで映った、カーテンの隙間からじーっとこちらを睨んでいる怪物の目が異様に怖くて、泣きだしたことがあった。それ以来、カーテンの隙間が怖い。今でも、隙間が開いていると、気になって仕方がないのだ。 ◆ これは少し平凡か。ワタシにも理解できるから。 ◇ 私の怖いものは自分の美貌と才能です。町内でも評判の美貌と才能です。もしかしたら、早死にしてしまうのではないかと心配です。 ◆ うん、これはたしかにコワイ。と、まあ、やっぱり人それぞれなわけです。なんとなれば、饅頭がコワイって人もいるぐらいだから。 |