◆ 津田晴美『小さな生活』(ちくま文庫)という本を読んだ。タイトルに惹かれて古本屋で買ったのだが、当てが外れた。要するに、 ◇ 今、もしも私がひとり暮らしをスタートするとしたら、記念にまずはバカラのパーフェクションというウォーターグラスを一つだけ買う。(p.163) ◆ といった文章が延々と続くので、こうした方面に関心のないわたしには読むところがほとんどなかった。ただトイレの話はおもしろかった。 ◇ トイレに関しては一つだけお願いしたいことがある。ふつうの家には男女共用で洋式の便器を使っている。私の知る限り、外国人はもちろん、外国に長く住んでいる男性は、小用の際も便座に腰掛けてなさる。ところが、日本人は男性小用の伝統の便器、朝顔めがけるように立ってなさる方が多い。それも勢いよければなお爽快と言わんばかりに。洋式トイレの床は立ってすることを前提にしておらず、木やカーペットだったりする。したがって、はねやおつりが便器の外にこぼれたのでは困る!(p.135) ◆ とりわけおもしろいと思ったのは「立ってなさる」「腰掛けてなさる」という表現で、そのあとにも、「イスラムの男性は野外でもしゃがんでなさる」とある。それはさておき、私の知る限り、こんなことは聞いたことがなかった。さりとて、こんなことでないことも聞いたことがないので、いったい事実はどうなのか? ◆ 「洋式トイレの床は立ってすることを前提にしておらず、木やカーペットだったりする」。おいおい、だったりするなよな。なんでトイレにカーペットが必要なんだ。ミスすれば、拭けばいいじゃないか、自分の家なんだから。などなど、男性であるわたしにはいちいち腹立たしくてしようがない文章である。 ◆ かくいうわたしも、かつて女性の友人宅で、この家では「しゃがんでなさる」ようにとのお達しを受けたことがあった。はいはい、と軽く受け流しておいたら、あとでこっぴどく叱られた。自分ではパーフェクトのつもりだったのだが、彼女の目は些細な痕跡すらも見逃さなかったらしい。どうもゴメンなさい。 ◇ 衛生便器製造業者「TOTO」が大都市居住の主婦985人に対して行ったアンケートの結果によると,約15%の男性が,トイレで小用をたすときに座っているそうですが,これも家庭におけるマナーの一つでしょうか. ◆ このアンケートの詳細については「男性のトイレスタイルアンケート」 をどうぞ。とりあえず、いまのところ、わたしは一人暮らしなので、自分の始末は自分でつけているわけですが・・・。 |
このページの URL : | |
Trackback URL : |