MEMORANDUM

  ほんならいにますらあ

◆ 引き続き、『文藝春秋』(9月号)から。作家の田辺聖子が連載のなかで母のことを書いている。なんでも彼女の母は岡山から大阪に嫁いだそうだが、結婚後ほどなく、「昼寝ができない」ほどの忙しい大阪での忙しい生活に疲れて、実家に休養しに帰ったことがあるという。

◇ 母は寝たいだけ寝、田舎の涼風で肌を清め、庭の井戸の水を飲み、自家の田の米を食べてたちまち元気を取り戻した。そうして機嫌よく、〈ほんなら去(い)にますらあ〉と手を振って実家をあとにした。(p.259)

◆ 岡山弁はよく知らないけれど、なにかに疲れたときは安らげるところでしばし休んでから、そうして「ほんならいにますらあ」と言ってみれば、なんだか元気が出そうじゃないか?

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