◆ パソコンのハードディスクにでたらめに突っ込んだ音楽ファイルを流しっぱなしにして聴くともなしに聞いていることがある。で、いまさっき原田知世の『地下鉄のザジ』が流れていて(これは図書館で借りてきたCDかなにかだったか?)、「地下鉄のザジ」のことが気になった。そもそもこの曲にはどうしてこのタイトルがついているんだろう? よく考えたら、だれが作詞作曲したのかも知らない。と書いてるあいだに、大貫妙子だということが判明して、大貫妙子についてもいろいろ書きたくなるがそれはガマンするとして、この曲ができるきっかけはなんだろうと考えると、映画を観たので「感想文的に」歌を作ってみた、といったところだろうか。それとも、劇かなにかで、テーマ曲を依頼されたりしたのだろうか。 ◇ 地元の名古屋テレビが放映していた『ブンブンとバンバン』という番組を私はよく見ていた。『お母さんといっしょ』、『ピンポンパン』、『ポンキッキ』のような幼児番組なのだが(出演したこともある)、その番組の中の連載人形劇のコーナーに「地下鉄のドジ」というコーナーがあった。 ◆ わたしは名古屋出身ではないので、こんな番組は知らないけど、とにかくこの名古屋出身のひとがいうことには、 ◇ 幼少時の記憶の中の「地下鉄のドジ」、そして原田知世が歌う「地下鉄のザジ」という曲がキッカケで、本当はフランスの映画に『地下鉄のザジ』という映画があることをはじめて知り、初めて原典の映画を観たのが大学の頃。 ◆ こんな感じの「出合い」はわりとよくあることかもしれませんね。で、わたしが映画の『地下鉄のザジ』でよく憶えているのはザジがムール貝をむしゃむしゃ大食いするシーン。あとはあんまり憶えてないなあ。記憶って不思議だ。『地下鉄のザジ』といえば、ルイ・マルの映画を連想するのがふつうだろうけど、もちろん原作になったレイモン・クノーの小説『地下鉄のザジ』もあって、これは生田耕作訳が中公文庫にあった(いまでもあるかな?)。 ◇ 生田耕作の稀代の名訳「けつ食らえ」でおなじみの『地下鉄のザジ』[・・・・・・] ◆ たしかに映画でも「ケツクラエ」を連発していたような・・・。まあ、眉を顰めるひとも多いでしょうが・・・。 ◇ ザジが連発する決め科白も、和訳の<ケツくらえ>じゃねえ、いつの時代でも笑えないな。 ◆ では原文のフランス語で読めばおもしろいのかというと、まあもちろんそれはひとそれぞれなわけで・・・ ◇ この本は好きじゃありませんでした。ストーリーがおもしろくないんです。[・・・・・・]このストーリーはとても長くって、退屈します。 ◆ とは、フランスの女の子ミリアムちゃんの読書感想文でした。 ◆ あと、もうひとつ。ジェーン・バーキンが歌っている曲に「Zによる問題集」(セルジュ・ゲーンズブール作詞作曲)というのがあって、この歌詞には「ザジズゼゾ」の発音のはいっていることばがちりばめられているのだが、これにも Zazie が「主人公」として登場している(歌詞は http://www.caritas.ac.jp/chansons/b/birkin1.html で読める)。 ◆ さらに追加。 ◇ パリに到着したザジがストのせいで地下鉄に乗ることを阻止されるとき、小説は、地下世界には潜らないことを、つまり、地上を、現実世界を物語展開の場とすることを宣言する。 ◆ これは論文の一節。なるほどなるほど。でもパリのメトロも地下ばっかり走ってるわけじゃないしなあ、などとまた余計なことを・・・ |
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