◆ 自伝的なものを読むのが好きだ。さいきん読んだのが、大橋巨泉『巨泉 人生の選択』(講談社文庫)といかりや長介『だめだこりゃ』(新潮文庫)。どちらもブックオフの100円本。いかりや長介の本から、趣味について。
◇ 「全員集合」の時期は、ネタ作りに追いまくられて、いわゆる趣味というものはながくもてなかった。
一時期、カメラに凝ったが、正確にはカメラの付属品を集めることに執着しただけだった。ものすごく長い1200ミリの望遠レンズとか、接写用のレンズだとか。全然その効果的な使い方なんかもわかってなかったが、少ない自由時間で何か夢中になれることといえば、カメラ屋に行ってレンズを買うことくらいだった。ニコンのありとあらゆるレンズを、使いもしないのに買い漁った。結局、使うこともなく、集めることに飽きて手放した。こんなものじゃ本当の趣味とはいえない。
本当に夢中になったのは、アフリカだった。
いかりや長介 『だめだこりゃ』(新潮文庫,p.194)
◆ 以下、アフリカのはなしが続く。「こんなものじゃ本当の趣味とはいえない」。なんとマジメなひとだったんだろう、と思う。