◆ 「クモとカニ」にかんして、もうひとつ。「ささがにの」という枕詞があるらしい。たとえば、衣通姫(そとおりひめ)の、 ◇ わが背子が来べき宵なりささがにの蜘蛛のふるまひ予(か)ねてしるしも〔古今〕 ◆ 蜘蛛が糸を張っているのを目にして、今宵はあのひとが来るにちがいない、と胸をときめかすといった内容の歌。ここで「ささがにの」は蜘蛛に掛かる枕詞だが、漢字で書けば「細蟹の」で、「細蟹」とは蜘蛛の異称。 ◇ ささ‐がに 【細蟹】 〔補説〕 クモが小さいカニに似ていることからクモのこと。また、クモの網(い)。 ◇ ささ‐がに 【細蟹/笹蟹】 蜘蛛(くも)の古名。また、蜘蛛の糸。 ◆ と語源にかんしては諸説あるが、 ◇ “ささがに” は蟹が八本足で蜘蛛に似ているからなど ◆ となると、どうだろう? タラバガニか? あるいは、蛸も蟹に似ているか? |
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