MEMORANDUM

  サービスプロバイダー

◆ 先日ひさしぶりに東急バスに乗ったら、運転席の近くに運転手の氏名を記したプレートがあって、その氏名の上に 「サービスプロバイダー」 と書いてあるのを見つけた。ドライバーのことをそう呼ぶらしい。車内放送でも、「サービスプロバイダーになんなりとお申し付けください」といったようなことを言っていたから、ウマイ定食屋の情報でも訊こうかと思ったけれど、飯時ではなかったのでやめた。

◆ ちょっと調べてみると、この呼称を採用しているのは、東急バスが子会社の東急トランセバスに運行業務を委託している路線のみのようで (委託路線拡大中のもよう)、

◇ 東急トランセでは、乗務員を「サービス・プロバイダー」と称しています。これは、運転だけではなく、幅広いサービスをお客様に提供することをめざしているためです。
www.tokyubus.co.jp/top/recruit/index3.html

◆ 利用者としては、この 「幅広いサービス」 の内容が気になるところであるが、

◇ 東急は「運転手」とは言わないらしい。なにやら、サービスプロバイダーとか言うらしい。おっしゃれ~っ。
www.enpitu.ne.jp/usr6/bin/month?id=62399&pg=200207

◆ たんに 「おっしゃれ~っ」 というようなハナシではないのは、あたりまえのことで、「行政の将来を考える若手の会」 という団体の第34回例会 「バス事業の新たな動き-都市交通の将来像を考える」(1999年8月25日) のレジュメによると、

◇ (1)従来のバス事業が人件費の割高(運転手の年収は平均約800万円)等を背景に停滞する中で、東急バスの中で若手が狩り出され、東急トランセが設立された。

(2)新しいアイディアとしては、全員女性運転手とした他、人事制度も年俸制を取り入れた。開始時は、車4台、女性9人でスタートした。採用した女性運転手は、花屋、OL、元自衛隊員、トラック運転手等様々で、当初は平均年齢27歳となった。また、代官山近辺を選んだが、これは交通渋滞がなく、客層が多様で採算性も見込めたことによる。運賃は、武蔵野市のムーバスと同じ100円が念頭にあったことから、運転手の賃金を抑え込み(通常のバス運転手と比較し大幅なコスト削減となる)低運賃を実現した。ただし、プルミエからシニア、チーフへと資格が上がるにつれ年俸が上がって行く形とした。これにより、大人1人150円、2人目以降複数人数割引100円、日曜祝日100円の料金設定を実現した。その他、停留所名を必ず運転手に案内させる、バス停の間隔を狭くする(通常300メートル毎を約170メートル毎に)等の手当てをした。

(3)運転手は「サービスプロバイダー」と呼ぶこととした。これは、運転以外の業務、特にサービス・接遇をやらせるからであり、非番の時は一般事務もさせている。

(4)最近は、東急バス自体がコスト高のため自ら運行した場合に採算が合わない路線について、東急トランセが受託するとの形をとって、業務を拡張している。

(5)年俸制なので、評価が大変である。覆面の評価スタッフを雇っている。ただし、サービス・接遇などを重視しており、そのような評価項目を取り入れている。
village.infoweb.ne.jp/~fwbc7533/34thmtg.htm

◆ 要は、運転手にあれこれ仕事を押し付けるために考え出された肩書きのようで、ウマイ定食屋の情報など尋ねなくてよかったと・・・。

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